栄養素について

まず栄養素とは、人間が生きていくために必要なもの、すなわち成長・労作運動・補修・体温保持などのために摂取すべき必須な物質のことをいいます。

栄養素には、

1、タンパク質
2、糖質(炭水化物)
3、脂肪
4、ミネラル
5、ビタミン

などがあり、1〜3をあわせて栄養学的には「三大栄養素」と呼んでいます。
そして、4〜5の二つを「保全素(注1)」と呼びます。
1〜5の全てを合わせて、言わずと知れた「五大栄養素」になります。

(注1)
保全素とは、身体の機能を調節し、新陳代謝を順調にするために必要な物質で「調整素」とも呼ばれています。

1、タンパク質

タンパク質は、身体の髪、皮膚、筋肉や内臓・血液をつくる主成分です。
但し、運動等において体力発揮の源とはならない物質です。
特にタンパク質の過剰な摂取は下痢を起こし、疲労の源ともなり得ます。
運動に必要なカロリー(注2)量も、他の栄養素よりも少ないのが実際です。
しかしながらタンパク質の欠乏は、肝臓の解毒作用や体重・筋肉を落とす原因になります。

(注2)
カロリーとは、運動エネルギー(熱源)であり、化学反応のエネルギーであり、生命エネルギーの単位をいいます。
(1キロ カロリーは、1リットルの水を1度温めるのに必要な熱量のことをいいます。)

2、脂肪

脂肪はエネルギー源として、また栄養価値の点でいえば最も優秀な物質であります。
しかし、消化吸収に関しては、他の栄養素よりも時間がかかります。
更にいえば、消化吸収が遅い分、効力発揮にも時間がかかります。

但し不足すると、体重損失・組織消耗の原因となります。
ちなみに、「皮下脂肪」は炭水化物からも得られます。

参考までに脂肪は「動物性」と「植物性」に分けられます。

動物性脂肪 → バター、チーズ、牛乳、卵、肉等、、、

植物性脂肪 → サラダ油、ゴマ油、オリーブ油、、、

3、糖質(炭水化物)

人間が運動を行う際のエネルギー源として最も栄養価値が高い栄養素で、消化吸収が極めて速い物質です。
運動の原動力となる”エネルギー”は、筋肉のグリコーゲンに基づきます。
運動によって肝臓に蓄えられたグリコーゲン(注3)ブドウ糖に変わり、その後、血液によって運動筋(骨格筋)に運ばれエネルギーとなります。
運動中や運動後において、糖分の補給により血糖を正常に戻すことができます。
また、血糖値の低下が少ないほど運動機能が高いと言えるでしょう。

(注3)
全身の筋肉組織内に蓄えられたグリコーゲンの量は、一般の人で約300グラム、よくトレーニングされたスポーツ選手では500グラム以上あると言われています。

4、ミネラル

ミネラルとは「鉱物」のことで、「無機質」とも呼ばれ身体に必要な金属元素です。
私たちの身体を構成する細胞も多くのミネラルで構成されています。
ミネラルは酸素の活力素であり、不足すると、あらゆる酸素作用を失うことになります。
またミネラルは、体液・血液を正常なアルカリ性に戻します。

※身体においての必須ミネラル

カルシウム・マグネシウム・リン・カリウム・ナトリウム・イオウ・塩素・鉄・銅・ヨウ素
フッ素・マンガン・コバルト・ニッケル・モリブデン・バナジウム・セレニウム・リチウム
クロム・亜鉛・ケイ素など

5、ビタミン

ビタミンは、体内での栄養素の働きをスムーズにしたり、カラダの調子(生理作用)を整えたりする微量の物質です。
ビタミンDを除いた全てのビタミンは、体内で生成されないので食事から摂取されることが不可欠です。また不足すると身体の様々な機能障害を起こします。
さらに、このビタミンという物質はミネラルなしでは何の働きも果たしません。

次に、ビタミンには「水溶性ビタミン(水に溶けるもの)」と「脂溶性ビタミン(油に溶けるもの)」
があります。水溶性ビタミンは、体が必要とする量を越えると尿や汗になって体外に排泄されますが、脂溶性ビタミンは、取りすぎると体内にとどまり悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。


「水溶性ビタミン」について

水溶性ビタミンの種類には、ビタミンC・B1・B2・B6・B12・ナイアシン・パントテン酸・葉酸などがあります。

『ビタミンC』

コラーゲンの生成に関係するため肌の調子を整える働きがあります。
カルシウムの吸収・吸着に必要であり、又、鉄の吸収も助けます。
1本のタバコによって25〜100mgのビタミンCが破壊され、又、ストレス状態においても非常に減少しやすい特徴があります。

【多く含まれる食べ物】
ピーマン、イチゴ、大根の葉、トマト、ブロッコリー、レモン、キウイ、じゃがいも、など、、、

『ビタミンB1』

消化液の分泌を促進し、食欲を増進します。
炭水化物や糖を分解してエネルギーを取り出すのに必要です。
筋肉や神経を作り、心臓や精神機能を正常に保ちます。
欠乏すると、疲労・筋肉の硬直・脈拍異常・神経麻痺を起こします。

【多く含まれる食べ物】
大豆、ピーナツ、しいたけ、レバー、豚肉、牛乳、玄米、など、、、

『ビタミンB2』

皮膚・粘膜・つめ・髪を健康に保ちます(口内炎、唇の炎症に効果があるといわれます)。
炭水化物・脂肪・タンパク質の代謝を正常に保ちます。
欠乏すると、若さを失い、代謝障害・成長不良・眼疾患・口内炎などを起こし易くなります。

【多く含まれる食べ物】
イースト、レバー、卵、牛乳、貝類、サバ、など、、、

『ビタミンB6』

中枢神経の働き、たんぱく質の合成などに関係する重要なビタミンです。
神経疾患や皮膚疾患を防止。月経前症候群(イライラするなど)にも有効。
欠乏すると、脂漏性皮膚炎・手足のしびれ、痛み・血液中の尿酸濃度が上昇します。

【多く含まれる食べ物】
小麦、玄米、ビール、レバー、キャベツ、豆類、など、、、

『ビタミンB12』

血液の生成に関係があり、貧血を防ぐ働きがあります。
神経系統にも作用あり。
三大栄養素(タンパク質、糖質、脂肪)の代謝に必要とされます。
胃腸障害に有効。
欠乏すると、貧血・脳障害・不眠症・胃がおかされます。

【多く含まれる食べ物】
レバー、貝類、チーズ、肉(牛・豚)、卵黄、海苔、など、、、

『ナイアシン(ビタミンB3)』

ナイアシンは、たんぱく質や糖質の代謝を促進し、神経や脳機能の正常化、性ホルモンの合成などに関わっています。
また、皮膚、舌、消化器そして精神機能などの健康維持にも必要なビタミンです。
肌あれが気になる人、お酒をよく飲む人は積極的に摂取した方がよいといわれます。
欠乏すると、肌のただれ、皮膚炎、吐き気、痴呆、記憶力低下、運動神経、感覚神経の麻痺など。

【多く含まれる食べ物】
レバー、赤身の肉、豆類、プルーン、など、、、

『パントテン酸(ビタミンB5)』

パントテン酸は、ビタミンCと共にアレルギー、ストレス、疲労回復に効果的です。
慢性関節リュウマチ、神経炎、神経疾患、などを和らげる役割もあります。
そして、抗生物質の害を防いだり、また妊婦や授乳婦などの方の栄養補給にも役立ちます。
欠乏すると、皮膚炎・手足のしびれなどを起こしたり、風邪やインフルエンザにかかり易くなります。

【多く含まれる食べ物】
レバー、納豆、牛乳、卵、酵母、肉類、魚介類、、ブロッコリー、トマト、など、、、

『葉酸』

葉酸は、ビタミンB12と協力して造血に働くビタミンです。
生体にとって必須の栄養素である反面、体内では合成できないので食品から摂取しなければなりません。さらに、ビタミンCとの協力で消化器系統の働きを促進することが知られています。
欠乏すると貧血・免疫力の低下・下痢などのを引き起こす要因となります。

【多く含まれる食べ物】
緑黄色野菜、レバー、牛乳、胚芽米、卵、ほうれん草、バナナ、など、、、

 

『脂溶性ビタミン』について

脂溶性ビタミンの種類には、ビタミンA・D・E・Kの4種類があります。

『ビタミンA』

ビタミンAは、成長を促進し、視覚を正常に保ち眼の病気の予防、皮膚や粘膜の強化、そして風邪などの感染症の予防に効果を発揮します。さらに、細胞や血液の酸化を防ぐ効果もあることから、発ガン抑制作用もあります。
しかし、妊娠中の女性には過剰摂取により胎児に悪影響のある可能性がありますので注意が必要とされています。

欠乏すると、眼の病気・皮膚の病気・伝染病・抜け毛・白髪が多くなるなどを引き起こす原因になるといわれます。

【多く含まれる食べ物】
マーガリン、うなぎ、レバー、卵黄、、緑黄色野菜(にんじん・カボチャ・春菊・ほうれん草など)など、、、

『ビタミンD』

ビタミンDは、日光の紫外線によって体内で生成されます。また、カルシウムの吸収の際に必要なビタミンで、骨や歯の発育を助け、骨粗しょう症や老化を防ぐ効果があります。
さらに、ビタミンAやCと共に風邪の予防をし、神経組織の安定と心臓の働きを正常に保ちます。


欠乏すると、骨軟化症・骨粗しょう症・くる病・虫歯などを引き起こす原因になるといわれます。

【多く含まれる食べ物】
うなぎ、マグロ、青魚、干し椎茸、牛乳、乳製品、卵黄、肝油、バターなど、、、

『ビタミンK』

ビタミンKは、血液の凝固に必要不可欠なビタミンで不足していると出血が止まらない、鼻血が出やすいなどの症状が起こりやすいと言われています。
また、カルシウムが骨に沈着するのを助ける役目もあり、骨粗しょう症の予防にも有効とされています。
さらに、このビタミンには緑黄色野菜に含まれる「K1」と微生物の合成から作られる「K2」があり、「K2」は納豆に多く含まれ、体内の腸内細菌からも生成されます。

欠乏すると、出血・骨粗しょう症・下痢・大腸炎などを引き起こす原因になると言われています。

【多く含まれる食べ物】
トマト・ほうれん草などの緑黄色野菜、納豆、海藻、レバー、チーズ、卵黄、アルファルファ、キャベツ、緑茶など、、、


●最後の”まとめ”として

今まで紹介した各栄養素は、それぞれ人間の体に必要不可欠な作用を生じます。

・体の機能を正常に保つもの → ビタミン、ミネラル
・体の組織をつくるもの → タンパク質
・体を動かすもの → 糖質(炭水化物)、脂肪


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